文化10年（1817）7月18日、岐阜県の犬地村（白川町）の倉蔵が同村近くの倒木を伐ったことから、久田見村の山見廻人、清左衛門ほか一名と論争になった。久田見村山内の倒木といえども、勝手に伐ったのはもってのほかというのだ。
これをきっかけに尾張領久田見村と苗木領の九か村の争いとなった。本書はこの裁判記録をもとに書かれている。19冊にも及ぶ古文書を活字化しているが、その中からは当時の農民にとっての山の価値、評定所の役人の対応や白州での裁きよう、幕府役人の見識と才能の程度、それぞれの藩の対応ぶり、事後処理の方法などが見えてくる。
本はＡ5判・220頁。昭和63年、安江和男著・自費出版。書き込み・ラインなどなし。
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